遺留分侵害額を計算してみよう!
よく、遺留分侵害額請求について相談を受けます。
前の民法改正で、特別受益(生前贈与)の扱いが変わりましたので、念のため事例で挙げて説明します。
【設例】
遺産 2000万円
相続人 子Aと子Bのみ。
遺言 遺産は全部Aに相続させる。
生前贈与の状況:5年前にAは、500万円の生前贈与を受けた。15年前にBは、300万円の生前贈与を受けた。
【計算】
⑴Bの遺留分額は、(2000万円+500万円)÷4=625万円です。
※子のみが相続人の場合の全体の遺留分は2分の1ですので、Bの遺留分は4分の1となります。
※10年以内の生前贈与は、遺留分算定基礎財産に参入されます。⇒Aの受けた500万円は参入。
※原則として、10年以上前の生前贈与は、遺留分算定基礎財産には参入されません。⇒Bの受けた300万円は未参入。
⑵Bの遺留分侵害額は、625万円-300万円=325万円です。Bは、Aに対し、325万円を遺留分侵害額請求できます。
※10年以上前の生前贈与(特別受益)は、遺留分算定基礎財産には加算されませんが、遺留分侵害額の計算にあたっては控除されます。

