交通事故:保険会社が弁護士委任をする理由

交通事故のご相談の中に、「自分は被害者なのに、保険会社が弁護士を雇った。納得できない。」とのご相談を受けることが時折あります。

保険会社が弁護士を窓口にしてしまうと、何かとやっかいです。

弁護士の口癖は、「損害を立証してくれたら、払います。証拠を出してください。」です。

なぜ、保険会社が弁護士に委任するのでしょうか? 主に2つ理由があります。

1つは、担当者を守るためです。

被害者の要求態度や要求内容が厳しく、担当者のストレスが高まり、手に負えないと判断した場合、上席者が、担当者を守るために弁護士を窓口に変えるのです。いわゆるカスハラ防止対策ですね。

2つ目は、契約者(加害者)を守るためです。

被害者としては、事故を起こしたのは加害者だ、保険会社の対応が悪いなら、直接に、加害者に請求すると考え、事故時に聞いておいた加害者の携帯電話に電話することがあります。

そうすると、加害者は加入している保険会社に泣きつくわけです。

保険会社としては、契約者第1ですから、直ぐに弁護士に委任することになります。

被害者の方のお気持もよく分かるのですが、弁護士が窓口になると、かえって面倒です。

保険会社の対応が不満であれば、こちらが先に弁護士を依頼する方がよいでしょう。