タイムカードのとおり残業代請求できるの？

残業代を請求をするには、労働時間を証明する必要があります。

残業代請求事件は、労働時間の証明が勝負です。

最近は、タイムカードの代わりに、社員にアプリで始業時間と終業時間を入力してもらうことで労働時間を管理している会社も増えているようです。

裁判ではタイムカードの打刻時間をどう評価されるかご説明します。

例えば、始業時間午前９時、終業時間午後１８時の会社の場合で、タイムカードの打刻時間が始業時間午前８時、終業時間１９時となっているとします。

どちらも所定の時間より１時間長く労働している時刻になっています。

この日の労働時間を裁判で争った場合は、残業時間は１時間と判断されることが多いと思われます。

裁判所は、始業時間の前の時間は、早く出社したのは分かるが、労働していた時間とは認めないという傾向があります。

逆に終業時間より後の時間は、すんなり残業時間と認めることが多いのです。

なぜかというと、始業時間前は、実際には会社の業務がなされていないことが多いが、終業時間後も残っている時間は労働していいるのが通常と考えているからのようです。

このように、タイムカードの時間が全て労働時間とすんなり認められるわけではありません。

もちろん、始業時間前であっても、朝礼参加や制服に着替える時間等、会社に拘束されている時間といえる場合は、労働時間と認められる場合もあります。

労働時間の認定・判断は、裁判例を知り尽くした労働事件を専門とする弁護士でないと正しく判断できないこともあります。

残業代を請求したいと思ったら、まずは労働事件に強い弁護士に相談してみましょう。